先日ピナ・バウシュが率いていたヴッパタール舞踏団が来日。ピナ・バウシュの代表的演目<私と踊って Komm tanz mit mir>の公演があり新宿文化センターへ見に行きました。
初めての「タンツ・テアター」観劇。
見ているととっても沢山言葉を話したり歌ったりする。けど言葉が分からないので、それゆえに伝わるものがシンプルですごく良かった。日本語でこれをやるとしたらもっとキノコのしゃべりを増やしたらこうなるのだろうか?それはそれで受入れられそうな気がする。
テーマは好きになった人と心を通わせたい、ただそれだけ、のように感じた。
心を通わせる=私と踊って!
でもただそれだけのことがすごく困難で、人の気持ちは思った以上に複雑…。そのためだけに様々な問いかけのようなコミュニケーションがなされます。
男女が出逢って恋をして、その気持ちの高ぶりを女の人のドレスの色や、ダンスだけでなくて<声(セリフ)>でのもはや身体だけじゃない演技も使って表現していて。しかもこのドレスの着替え方が舞台袖等見えないところで早着替え…とかじゃなくて、おもむろに着替える(被ったり脱いだり)その動作の一部始終にまで心の動きを描いていて、使えるところは余すところなく使って表現していました。
その点はやっぱり新しい表現の追究…これしかしないっていうストイックさではなくて、伝えたいことを伝えるためにはここも使える!っていう新しいものを受入れて取り入れる姿勢がすごい。
実際に見ている時は、男の人の罵声がとてもドSに思えたのだけど後でプログラムを見たら「俺をもっと嫉妬させろ」と大声あげていて、とてもドMだったのでした…。これにはびっくり。
最後の最後、見ているこちら側に<私と踊って!>と投げかけられたときはドキッとしました。
舞台美術もとてもシンプルなのに有機的で素敵でした〜。見ていて面白いです、舞台美術。