人気ブログランキング | 話題のタグを見る
江戸東京たてもの園・三井八郎右衛門邸
江戸東京たてもの園・三井八郎右衛門邸_d0165298_012931.jpg

<江戸東京たてもの園>へ行って来ました。
先日鷹の台の松明堂へ行く前についでに寄ってみました。ぐるっとパスにも無料券付いてるしね。

初めて行ったのだけど…楽しかった…。あんまり期待せずに行って、よく見たら移築準備中のところもあってよくTVで映る湯屋の前の通りは工事中風景みたいだったけど、建物内の見学が思いのほかツボでした。
時間の関係で全ては見られなかったから、今度また行く機会あったらたっぷり時間とって行きたいと思います。

今現在建物に上がって中を見学出来る11軒のうち、高橋是清邸、常盤台写真場、三井八郎右衛門邸、小出邸の4軒しか見てこなかったのですが、そのうち三井八郎右衛門邸が独特で面白かったです。

三井財閥の第11代三井八郎右衛門高公氏の邸宅である三井八郎右衛門邸。扉には家紋がくり貫かれ、家中の襖に立派な絵が描かれていて(一部レプリカ)、廊下中の釘に家紋入りの釘隠し、玄関には球体のルネ・ラリックの照明。この照明は当時日本に2つしかなかったラリックのうちの1つだそう。それほどのお金持ち、ということらしい。

でもそれだけならただのお金持ち。どうやら高公さんはちょっと変った方のようです。



客間の天井にお寺の天井ように格子に区切って丸い絵がある装飾がされていたのですが、なんと高公さんが趣味で作ったものらしい…。残念ながら暗くてどんな出来映えなのかは未確認。ほかにも客間にはご婦人が手づくりしたテーブルクロスのようなものもありました。三井家の人々はお金持ちでも、職人さんやらにお金を撒いてくれるわけじゃなく、自分で作って楽しむことにお金をかける性格だったらしいです。

そして自己満足が伺える釘隠し。客間付近は他の鉄のものよりもちょっと素敵にターコイズのような色の七宝焼のものだったのですが、高公氏の寝室のも同じ七宝焼。説明スタッフの方いわく「昔は男、旦那様が一番偉い。特別扱いが普通」ということでしたが、そんな理由じゃなく単に性格的なものをかんじました。絶対周りが敬ってそうしたんじゃなくて「俺のも!俺のも!」ってかんじな気がする…。(もちろんあくまで想像)

というのも、2階にある仏間の前の狭い廊下に、三井家が出資していたという日本初の銀行で使用されていたシャンデリアがひとつ飾ってあるんですが、天井の補強の為かもしれないけど和風の廊下に突如そこだけ洋風の天井。強引…。そこには当主を敬うような厳かさや献身があるというよりは、「あ〜あ、お父さんまたこんなんやって…」な愛を感じてしまう。
こんなに立派なシャンデリアならば、客間に置けばいいじゃないってなものですが、これがここにある理由がまたすごい。
なんと「お灯明の代わり」!なんだそう。「えぇっ!?」と一瞬普通に驚いたけど、なんて「大雑把ーっ!」しかし一気に親近感涌きました。

かなり変った出で立ちだったという織田信長の安土城。型破りな発送は信長と同じ感覚なのかなー?となんだか「俺の城」を感じました。

写真左:小出家の応接室の窓。写真右:三井八郎右衛門邸内のこれまた特別仕様の引き手。
by orangewords | 2010-07-11 23:59 | ぶらり
<< 渡辺千尋 回顧展・後期 渡辺千尋 回顧展・前期 >>