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紙の博物館
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紙の博物館のお目当ては、常設展とこの日していた<紙すき体験>でした。紙の博物館はここ王子に王子製紙があったことがきっかけで開館しているようです。でもリーフレットを読んだら「多くの紙関連会社の支援」で運営されているようです。

1F〜4Fまで展示があるのですが、最初の1Fは大きな機械の展示と読み物が多いパネル展示。真面目に読んでたら相当時間がかかっていたらしく、この日の目的のひとつ<紙すき体験>の時間がいつの間にか終わってしまってました…残念。紙すき体験の係をしていたおじさんが手が空いたのでやってきて、そこからずっとおじさんがかいつまんだ説明を全館最後までしてくれました。かいつまんでもらわなきゃ、1Fパネル展示だけで閉館してたかも…!?そのくらい情報量多いです。

2Fは1Fでの内容を踏まえて、子供向けにクイズ形式にしたりイラストを使って明るく視覚的な展示になっていました。でもこちらは少し説明不足なのでおじさんが口頭で補足してくれて良かったです。ほかの場所もスイッチを入れるところなど、係の説明がないと通り過ぎてしまいそうな部分も…。





統計などの資料プリントがところどころにあるのが社会科見学に気ているような気分でした。パルプやパピルスについて改めて知ったり、最近は6割が再生紙になっているというのは驚きでした。コストがかかるからなかなかリサイクルが普及しない…と感じていたけど、コストはかかるもののここまで普及しているのはすごい。

さらに木に含まれる<リグニン>という成分の話も面白かったです。
このリグニンは道管等の管の淵(周り、細胞壁)にある焦げ茶色の物質で、木全体の20〜30%を占めている成分なのだそう。年輪の正体もリグニンが関係していて夏時期など光合成をたくさんして成長している時期は道管が太くなるのでご気茶色の密度が低く肌色っぽく見えて、逆に冬の寒い時期は光合成が出来ず道管が細く小さくなることで焦げ茶色の密度が高くなって年輪として見えるんだそうです。
このリグニンは製紙の過程で紙に不必要なものとして液体になって出て来るんですが、これは燃やすことが出来るそうで、なんと製紙工場の自家発電の燃料として再利用しているそうなのです。すごい〜。

印刷工場や製紙工場は公害問題が付き物だったと思うけどそのイメージも実際問題も払拭していくべくみんなそれぞれ努力を積み重ねているんだろうな。やっぱり印刷や紙って楽しいし、有り難いし、正々堂々胸はって楽しんでいきたいし、こういう技術がどんどん進化してもらえると嬉しいなぁ。

製紙工場だけでなく、やっぱりやれるところはやらねばならないですね。ゴミ処理場は大阪を見習ってみんな余剰エネルギーで自家発電しましょうよ。

知らないだけで省エネ技術は進んでるんだなぁ。そうなると以前ニュースで見た「日本の家電の省エネ技術はそろそろ先が見えてきてしまっている」というのもなんだか納得。今ある家電をとにかく省エネ家電に、ではなくて全く新しい省エネにつながる家電(蓄電池を家電といえるか分からないけど)に今度は取り組んで行く時代なのですね。とりあえず省エネ整備にはコストがかかるからやらないでそのまま、って企業は数多いと思うので、そういうところが徐々に省エネ設備を整えてくれることから始められたらいいな。数で省エネです。

また紙の博物館行って、隅々まで見て来なきゃ〜。一日居られる。

*画像は現在の企画展<おもちゃ絵の世界>フライヤーより。
by orangewords | 2011-04-22 13:57 | アート雑記
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