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正観世音菩薩甲午歳大開帳/眞観寺
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行田市小見にある<眞観寺>の御開帳へ行ってきました。古墳があることで地元では有名(と思ふ)です。眞観寺には母方のお墓があるので伯父も御開帳のお手伝いをしていました。秘仏はなんと平安後期の観音様。普段12年に一度、午年の年に1日のみ御開帳しているようですが、甲午の年は60年に一度の大開帳。数日間に渡っての御開帳です。身近にそんな面白い習わしがあったなんて。こんなん好きなので、行かないわけがないのです。
大開帳の最終日だった本日、なかなかの入り。親戚ももちろん来ています。お寺の法被を来た伯父から説明を聞きつつ、初めて境内の中へ。観音様の左右には狛犬のように阿吽の口をした雌雄一対の白馬が。かわいい出で立ち。白い体に朱色の耳(の中)と目。瞳は黒い三日月状でした。真ん中においでの観音様は観音開きのお堂の中に立っていて、足元と頭のてっぺんは隠れて見えなくなっていました。ちらしに使われている写真はレプリカを撮影したものらしく、実際には左手に蓮のつぼみの茎を持っていました。あと色も全体的に黒っぽかったです。
檜の<一木割矧ぎ造り>という作り方をされているらしく、これは接ぎ木ではない一本の木から掘り出して、彫り終わったあとに鉈で半分に割り、中をくり抜いた上で膠で接着して元の姿に戻す作り方だそうです。長い年月が経つと中心と外側の収縮率の違いからひび割れてしまって痛んでしまうため、それを防ぎ長持ちさせるために中心部を予めくり抜いているのだそう。鉈で割ったときのささくれのぎざぎざが、接着を頑丈にさせる効果もあって、余計に長持ち。「千年近く経過しても本体には修復の必要がない程」(リーフレットより)だそうです。すごいですね!そう言われると、なんとなく、体に縦に痕があるような…どうでしょうね?
足元が隠れていたので、長い腕が余計に長く思えました。暗闇の中でまた静かに御開帳のときを待つのですね。

御開帳の年には、この年本当に御開帳しても良いかどうかの占いをするのだそうです。今年もしたようですよ!なんだか面白い。
何年か前に新しく出来た客殿では、同時開催で長久寺で開催されている写仏画教室や仏像彫刻教室の作品が展示されていたり、お茶をいただけるようになっていました。時間がなかったので展示を拝見しつつ、伯母に会いに行ったら、約60年前の御開帳時の檀家集合写真が飾られていました。このときは本堂の屋根の葺き替えかなにかをしたらしく、甲午に大開帳するところを、葺き替えが終わったタイミングで早めの大開帳をしたそうで、写真は62年前の5月の日付。「もしかしたらいるんじゃない!?」とみんなで思い立ち、探してみたら、いました、62年前の若かりし頃のおじいちゃん。伯父そっくり…。曾祖父ちゃんがそこそこの年齢だったそうで代わりに出席していたそうです。あぁ家族に歴史あり。些細なことかもしれませんが、おかしくて愛しいかな。



by orangewords | 2014-11-23 23:59 | ぶらり
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