カテゴリ:アート雑記( 192 )
花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼
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世田谷美術館へ<花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼>を観に行ってきた。

時間がなかったので1時間だけ。以前<世田谷文学館>で観た花森さんの展示も良かった。記憶に新しいのに、2006年の展示だったらしい。大体そのときと同じような内容なのだけど、今回はもうすこし花森さん自身のことにも触れられていた気がします。


今回改めて感じたのは、その時代を生きる人のために雑誌を作っていたんだと。当時は新しいものも多くて、急に増えた家電製品は高価なのにどれを買ったら良いか分からない。ともすれば高価なだけで品質の悪いものを掴まされてしまうような時代。消費者が泣き寝入りしないようにどの商品が良いか試してくれた。

そして暮らしを工夫次第で明るくするために、素人でも簡単にかわいく作れる洋服の作り方<直線断ち>を考えた。どうしたら人(とくに女性)の暮らしが楽になって自分の時間を作れるかを考えていたのが伝わる。

そして、自分の命の期限を感じられたとき、あの<一銭五厘の旗>など、戦争の後に生まれたひとたちへ戦争の記憶を残して繋ぐことに使命感もって取り組んで、そして生涯を終えた。


今だったらなにを特集するだろう?

いまは割となんでも値段なり。時代が一周回ったように、色んなものが増えて、安くなって、モノで溢れ返っているのになぜか貧しい、ちょっと変な今の時代。

洋服は安いものもたくさん売っているけれど、ちょっといびつでも自分がデザイナーになりたい今の時代。


今から思うと20年前、専門学校の先生が「いまは10人に1人が障害者だ」と言っていた。先生も障害者手帳を持っていた。あまり外で会わないかもしれないから、実感ないかもしれないけれど、杖を付いたり、車椅子で出掛けるにはまだ不便を感じる世界だった。

それから20年。いまは高齢者が増えたことでさらに障害者といえる人は増えたと思う。それも高齢が理由なので思ってもみない方向に増えたかもしれない。認知症などの本人がどうしようもないことだ。

そしてもうひとつ。今は子供6人にひとりが貧困だという。(←昨日のカンブリア宮殿)


こんな世界、こんな時代に花森さんは何をするかな。


余談だけど今回初めて花森さんのポニーテール姿も写真で拝見することが出来ました。


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by orangewords | 2017-03-31 22:40 | アート雑記 | Comments(0)
アトリエ・アッティコ蔵書票展2015
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毎年開催されている二子玉川の<アトリエ・アッティコ>さんでの蔵書票展に行ってきました。昨年は出品もしていたのだけど今年はなかなか版画製作に通えず、残念ながら鑑賞のみ。今回は私と同じ版画工房でリトグラフを制作している岡さんが参加されていたのでリトグラフの蔵書票も観ることが出来ました。どうしても木版と銅版が多いのでリトグラフや木口の蔵書票がもっと増えると良いですね。

みなさんどれもそれぞれ素敵でしたが、そんな中、どうにも三浦美保さんの木版画が気になり…。製作するには銅版画が好きなのですが、大体いつも眼に留まるのは木版画…。今回も木版画を購入しました。愛嬌たっぷりの「天そば」と、美しい「有田焼」。どっちにしようか決められず、どっちも購入!どちらも「版画って面白いな」って思わせてくれる作品で見ていて飽きないです。色の重なり、刷るときの力(姿)を想像してムフフ…とほくそ笑むのでした。
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by orangewords | 2015-10-25 20:04 | アート雑記 | Comments(0)
ムルロ工房と20世紀の巨匠たちーパリが愛したリトグラフ
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<ムルロ工房と20世紀の巨匠たちーパリが愛したリトグラフ>を観に<神奈川県立近代美術館 葉山館>へ。かつてパリにあったリトグラフ工房の仕事の展示で、技術協力を受けていた日本のMMGに刷り師としてお務めだったMさんにご案内いただけるチャンスがあり、行ってきました。
ムルロ工房は1930年頃から錚々たる画家たちの展示のポスターを刷ってきた工房です。私はリトのことはよく分からないのですが転写紙というものがあるそうで、ピカソ、マティス、シャガール…などなどみんな転写紙に自筆で描き、それをその名の通り転写して製版していたそうで、描き師が描いたわけではないみたい。そこがまた、画家たちが楽しく盛り上がっていた様子が伝わってきて、みているこちらも楽しい気持ちになってきます。

展示の序盤の黒の溶き墨の美しさ、ずっと見てられるなぁ。ジャン・デュビュッフェの黒とチャレンジ精神もとても素敵。それにマティスやミロの簡潔な作品もまた良く、目からうろこ。そしてまたひとつブラックの傑作を見ることが出来て嬉しい。また雑誌<VERVE>の表紙(と中にも少し)はリトだったらしく、中でもピカソのがデザインは割とふつうなのにすごく素敵に見えて、それはおそらくわずかなインクの盛り上がりのためにクレヨンの線がちゃんとクレヨンらしく見えてるためなのかも…と思って。そう思いつつ、終盤のポスターを見ていたら、どんどん違和感が出て来て魅力が損なわれていっていて…なぜ?と思っていたらMさんに「紙が違うだけでこんなに違うんだよ」と教えていただきました。本当に、さっきまで作品にしか見えなかったポスターが、コート紙のようなものに変わっただけで単なる印刷物に!すごいなぁ。インクもこんなに見え方変わるのね。この時代、もしこの紙が最新の紙だったら、作家としては最先端のおしゃれだったのだろうか。それとも当初からあまり気に入られてなかったのだろうか。文字なんて本当に素っ気なくなった。<良い>ものに見えるのはリトで刷ったからだけじゃなく、支持体も大いに大切ってことなのですね。<VERVE>って何かの展示のときにたびたび目にしてきていると思うのだけど、版画のことを知ってから見るとその良さがよく分かる。知らないというのはつまらない蔑みを生むなぁとふと思った。優劣はないですよ。職業に貴賤無し。ひとの仕事を馬鹿にするべからず。そしてそんなくだらないことに構ってる暇があるくらいなら制作したいのだ。(あ、なんかやさぐれている)

リトで意外だったことは、石版てずっと、昔は大理石しかなかったのかと思っていたけれど、当初からジンク版、アルミ版も使われたらしいです。そして絶えず使う水が、硬水か軟水かとか水質でも違うはず…らしいんだけど、実験であまり変化が見られなかったそう。今なら飲み水で売ってるから試せそう。
それとムルロさんはインディゴのジャケットを仕事着としていつも着ていたらしく、ムルロさんに憧れたMMGの創設者もインディゴのジャケットを仕事着にしていたそうです。版画工房でも藍染め〜。
この頃ずっと忙しかったので久しぶりの美術館&遠出です。嬉しい。海は霞んでより広く、山は迫る青さでした。

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by orangewords | 2015-06-27 01:09 | アート雑記 | Comments(0)
鈴木道夫さんの藍染軍手
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週末お手伝いしてきた<牧禎舎 藍染体験工房>で鈴木道夫さんの藍染の軍手の取扱いを始めました。軍手ですが、藍染めで色と模様がつくと様変わり。
工房の壁などがちょっと寂しくなったので私の私物も少し参考品として持って行きました。ぜひ実物ご覧ください。

でも一番すごい板締めのショールは持ち帰ってきてしまいました。私のじゃなくて母のものなので。これは今後わたしが当番のときにだけ持って行って飾ろうと思います。

藍染体験工房は毎週日曜openです。
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by orangewords | 2015-03-23 09:40 | アート雑記 | Comments(0)
アーツ&クラフツinぎょうだ2015 終了しました
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埼玉県行田市にある<牧禎舎>にて開催された<アーツ&クラフツinぎょうだ2015>無事終了しました。一日のみの開催になり、ぎゅっと詰まったイベントになっていたと思います。今年はワークショップの開催も目立ち、参加者もものづくりを楽しめてとても良かったと思っています。また来年もARTとCRAFTのたのしいイベントになると良いですね。
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by orangewords | 2015-02-23 23:58 | アート雑記 | Comments(0)
造形大卒制展2015
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造形大の卒業制作展へ行ってきました。初めて行ったのですが、土日の2日間しか開催してないのですね。もったいない。

造形大は、初めてブックギャラリーポポタムさんで蔵書票展を開催したとき、参加してくれた銅版画の坂本久美子さんや木口木版の廣瀬理紗さんが在籍していた美大。坂本さんはEQIP(私も参加している版画展企画ユニット)リーダーの濱やんが作品を見初めてスカウト(笑)してきてくれた方なのですが、坂本さんをはじめ濱やんの紹介してくれる造形出身者のセンスがとても好きで、昨年の町田市立国際版画美術館での大学版画展でも良かったので、卒制見てみたいなぁ〜と思っていたのでした。
濱やんから「近々卒制あるよ!」とお知らせもらい、いそいそ行き慣れない場所へ行ってみたのでした。

卒制のロゴはリトかな?その辺りからも版画の元気が良いことがうかがえます。どこから見たら良いか分からないでいたら、ちょうど門馬先生が現れ、版画の場所を教えてくれました!すごく助かりました〜。版画科はなく、絵画になるようです。

大学版画展でも思ったのだけど、シルクの人口がかなり増えたし、思わず眼に留まる素敵な作品が増えた気がします。(そういえば木口とメゾはいなかったなぁ)小さな版から大きな作品を作り出す方法も、目からウロコのものもあったり。いろいろ学ばせてもらいました。

時間の関係で全ては見られなかったのですが、版画のほかに面白かったのはテキスタイル。プリントっていうだけじゃなく、折り方とかの布地自体の表現が良かったです。それなりの機械がないと出来ないのかしら〜?いいなぁ作ってみたい。
あと個人的に彫刻の作業場が好きなので、彫刻(と建物)も観て来ました。ここのはちょっと寒そう…。

来週はそんな藝大の卒制週間です。昨年は行けなかったので今年は行けたら良いな。
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by orangewords | 2015-01-24 23:59 | アート雑記 | Comments(0)
P→P STORE
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d47MUSEUMへ<Problem to Product Exhibition Store>を見に行ってきました。<47都道府県の地域問題から生まれた製品>ということで、問題は<農業><伝統工芸><自然環境><地場産業><雇用>の5種類に分けられていました。d47の都道府県別モノはいつも面白くて好きなのですが、とりわけ自分の出身県や友達が住む県がどんなかが気になります。自分の出身県があんまりセンスよくなかったりすると人知れずガッカリ…。トナカイとかのゆるい革小物は置かないほうが他の名刺ケースなどの革製品のかっこよさが一層ひきたったのになぁ〜…なんて。これ仕舞ってください!って言いたくなってしまう。なんでも陳列すれば良いというもんじゃないですよね…。多ければ良いという問題でもないし。
また<県>として分けられているけれど毎回似たような地域がピックアップされているときは、この県はこの地域がとにかくダントツで頑張っているんだなぁ、とちょっと残念な気持ちになることも。ひとつの県に、ひとつのセンスよい地域、じゃ力が弱いですよね。そして衣食住のバランスも。

気になったものをいくつか。京都府の衣料再生プロジェクト<Re:>はニットのハンドバッグが見た目がかわいくて、しかも襟首のところがポケットになっているという!これなら元が古着でも欲しいし、使えますね。リユースする服にもよるけれど、かわいいものだけ選べば素敵なバッグが出来そうです。

愛知県の<INVITATION PROJECT>は、お土産品などに愛知県内でのワークショップ参加券などをくっつけて、受け取った方がそれを使って愛知に訪れやすくなる仕組み。ほかの県とは違った試みで面白いなぁと思いました。その時々で違いますが、例えば有松絞りで浴衣を作るワークショップなどに招待してもらえるようです。

また徳島県の問題はなんと<川の水が減少するほどの人工林の増加>なのですって!そんな問題があったとは…。間伐した杉材の有効利用を行っているそうです。

こうして見ると外部からデザイナーを呼んだり、地域の方とのコラボなどを率先して行っているところが多いですが、広島県のグラスビーズ<PENTA>こそ品質は良いのだからデザイン的なセンスの部分を外部に手伝ってもらったらすぐにでももっと良くなりそう…と思いました。そういうところはコンペやると良いですよね。

ひとつひとつの点が力をつけて、地域がたのしくなったら良いですね。

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by orangewords | 2014-12-25 23:59 | アート雑記 | Comments(0)
LEATHER FOREVER
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Sおりんに誘ってもらい、東京国立博物館 表慶館へ<エルメス レザー・フォーエバー>を観に行ってきました。12/2〜23の展示でしたが、入場無料のうえ質が高く、満足度も高いと評判の展示。170年に渡るエルメスの展示はもちろん、会場となった表慶館は建物の装飾や調度品なども素晴らしく、どちらも楽しめたのがとても良かったです。

エルメス人気と無料ということもあって、入場制限されながら入り口でも並びますが、中でも一階から二階へ上がる際に並びます。一階の二番目の部屋には職人さんが実演をされていてすっごく見たかったのですが黒山の人だかりが出来ていて、さすがに見えなかったです。ここは諦めて奥へ進みました。大きなモニターで離れてるひとも見られるようになっていたら嬉しかったです。

1階奥のサイのオブジェの部屋にあった、車のハンドルとドライバー用のグローヴが一番かっこよかったかなぁ。背景にポスターを貼ってあるディスプレイも良かったです。今は経年変化が汚れと感じるのかグレーの色のハンドルが多い気が…。ちょっと面白みがないですよね。車のデザインに魅力がないのは車離れの一因と思います。実用以外に欲しい理由がないのだもの。

2階では小さなハンドバッグに宇宙のようなプロジェクションマッピングを施していたのが笑えました!エルメスはユーモアを忘れないですね。笑 私は正直建物に当ててるいわゆるプロジェクションマッピングが品がなくて好きではなかったのだけど、こういう小さいところに威力を発揮しているのは良いなぁ。(でも展示の最後のほうあった盆栽が飛んでってるのはなんだか急にアレでしたが。)

最後の最後のヴィーナスの石膏像がハンドバッグを持っている演出もエルメスらしくて良かったです。ただ、むき出しの展示品は全て触ってはいけなかったのですが、ばんばん触られてて、ふだん展示を見に来ない方が多かったのでしょうね。夏の竹尾のペーパーショウを思い出しました。

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by orangewords | 2014-12-21 23:59 | アート雑記 | Comments(0)
版画の彩展2014 第39回全国大学版画展
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町田市立国際版画美術館へ<版画の彩展2014 第39回全国大学版画展>を観に行ってきました。

版種はいろいろでしたが、ここのところ少ないと感じていたシルクスクリーンが意外にも多かったような気がします。絵自体の魅力もだけど、技術的な魅力・力量を試すような作品もあって、やってみたいことにチャレンジしたわくわく、緊張するけど楽しい気持ち、どうだ!というがんばった自信が伝わるようで楽しい展示でした。私ももしリトグラフをしてるなら、あのデビッド・リンチのようなもやもや〜とした滲みを表現してみたいよ。
また学校によって少し似通ってくるのもまた見ていて面白いです。友達同士、同じ学び舎にいる者同士、意識してなくてもどこか似た雰囲気、気になってしまうモチーフ、手法、そんなのがちらほらと見て取れます。
東北芸術工科大学は、たしか自分で使う一生分くらいの黒インクを作る授業があったと思うのだけど、黒が圧倒的な作品が多かったです。自慢の黒だと思います。いいなぁ。

この展示、最後にどれか自分の好きな作品に一票入れることが出来ます。いくつか好きな作品があって、でも銅版画2点で悩んだ末、近頃見た中で最も画力があり丁寧で質の高かったエッチング作品に一票入れました〜 正統派です。

さらに良いことは、エントランスのところで小品を販売していること。その場で持ち帰り出来ます。のぞいていきたい気持ちはとってもあったのだけど、いい加減自分の制作もせねばならず時間切れでした。次回のお楽しみにしようと思います。

企画展示室で同時開催していた<マックス・クリンガーの銅版画>も素晴らしかったです。とくに『手袋』というシリーズの絵が面白く、自分の恋を題材にした物語に絵をつけたものです。ある日憧れの女性が落とした手袋の片方を拾ったクリンガーが、手袋を拾った喜びや、恭しく手袋を愛する気持ちや、手袋に対して盛り上がる想いや、はたまた拾った手袋を返さずにいる罪悪感などを描いていて、笑えました。

*画像は、昔撮影した駒沢給水塔。
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by orangewords | 2014-12-20 23:59 | アート雑記 | Comments(0)
せきぐちきょうこのざっかてんてん vol.2
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<せきぐちきょうこのざっかてんてん vol.2>を見に神楽坂の<五感肆パレアナ>さんへ行ってきました。いつもはミシン刺繍で大きな作品を作っている関口さんですが、今回はそんなせきぐちさんが作る雑貨店を期間限定オープン!という企画でした。
せきぐちさんとは羽生の藍染め作家・鈴木道夫さんを通して知り合い、DM作りにまで発展して(しかも早々に)あれよあれよとトークが進むのでした。あはは。

ざっかてんはボタンブローチを中心に、バッグや、なんとステーショナリーまであってびっくり。

個人的に面白かったのは、せきぐちさんが今年一月から毎日描き溜めた「今日着ていた服+ひと言」のイラスト。いつもかわいい格好をしているせきぐちさん、やっぱりお洋服がお好きなようで毎日のコーディネートを楽しくかわいく描いてあって、さらにそこに添えられたひと言がくすっと笑えて面白かったです。どこに行ったとか、何をしたとか…結構図書館行ってますね。笑

私もひとつボタンブローチ購入。ちょっと絵画的な刺繍にしました。

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by orangewords | 2014-12-07 23:59 | アート雑記 | Comments(0)