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ブリューゲル 版画の世界
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Bunkamuraザ・ミュージアムへ<ブリューゲル 版画の世界>を観に行って来ました。ほどよく空いていて、こういう細かい絵を見るには有り難い。見る限りかなりフライヤーや展示の仕方(動画など…)にお金かけているので、もしかしたらもっと観客動員数がないと困るのかもしれない…。

技法はなんとなくエングレーヴィングだろう、と踏んでましたが意外にもエングレーヴィングとエッチングの組み合わせが多かったです。エングレーヴィングもビュランの号数で結構線幅が変るようで「これはエッチングかな?」と思うような太い線がエングレーヴィングだったりして、少し混乱。しかし…やっぱりこれからは合わせ技だな。



それにしてもブリューゲルの画力もさることながら、その彫りを担当した彫り師達の熟練の腕前たるや恐ろしい!とても人間業とは思えません〜。

ブリューゲル以外でも単純にビュランの技術としても<バベルの塔>のあの細かさ!最細の線!エッチングだとこれ"傷"並なのでは…。
そして<村の縁日>だったかな?輪郭線を描かずして形を伝えられるあの技術・画力!(これぞお札!)
そしてもちろんあのへんてこな生き物たちが溢れるあの絵…想像力。しかもどんなカーブもきれい…ピッと勢いで出ちゃった失敗の線もまったくありませんでした〜〜!!
定規使ってもまっすぐな線が描けない私としては、定規みたいなものを駆使したと思われる船の絵<第3章武装帆船やガレー船の驚くべき表現力>なんかも相当圧倒的なものを見せつけられました。

展示は実はブリューゲルだけでなく、ブリューゲル周辺の人たちやら世代が同じ名もなき方々の作品も一緒に展示されているので作品点数は150点もありかなり見応えあります。中にはヨボヨボの線のエッチングがあったり、明らかに素人な作品もあるので、ブリューゲルの絵を彫った彫り師との差がくっきりです。

欲を言えばあと20cm作品に近寄りたかった!!あの位置からではあの細かい絵はきちんと見えないですよ〜。細かいところに目のピントが合わないっす。
by orangewords | 2010-08-08 23:23 | アート雑記
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