レンブラントと和紙/貴田 庄
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自分の銅版画を刷るのに適した紙ってどんな紙かな?読んだらちょっとはどんな紙がどんな性質なのか分かるかな?と手にとった本です。<レンブラントと和紙/貴田 庄 著(八坂書房)>図書館で借りてきました。読んでたらまた紙の博物館に行きたくなった。結構有意義な場所なのでお薦めなのです。

これによると長谷川潔さんや駒井哲郎さんらが主にBFKリーブを使用していたのが分かる。この頃のパリではBFKが主流だった様子。今の主流はなんだろう?アルシュ、ハーネミューレ、あとはやっぱり今もBFKかな?私の周りではダントツでハーネが人気です。雁皮摺りする方も多いのでそういうこともあるのかな。

それにしても和紙といっても色々…。その上、産地によっても加減が違うと思われるから紙って本当に多種多様ですね。私なんかがあんまり突き詰めてもと思うので、いい塩梅でやっていけたらと思います。

驚いたのが、レンブラントが使っていた中国紙(Chinese paper)というのが実は中国の紙ではなくて日本の、しかも薄様の雁皮だということが分かってびっくり。お馴染みの雁皮刷りだったのです。そもそも中国の紙というのはその作り方がシルクロードによってヨーロッパに伝わっていて、中国とヨーロッパの紙とは同じ作り方をしているのだそう。そこで和紙との違いが出来るのですね。

本によると、中国紙と和紙とは試刷りを含め早い段階での刷りに使われていることが多く、それはドライポイントの部分などをより摩耗させないように圧を弱めても摺り取りの良い和紙を使ったのではないか、ということでした。そしてなおかつ、和紙の色が珍し物好きのコレクターたちに重宝されていたのではないか、ということでした。試刷りでも和紙を使っているとは理論は正しいかもしれないけど結構贅沢な使いっぷりです。羨ましい。

和紙とは関係ないけど、レンブラントの作品でドライポイントやビュランとされている作品でも、レンブラントは基本的にまずエッチングをしていたということも書かれてました。私もそう教えていただいたけど、レンブラントもそうだったんだ~となんか嬉しい。

この本、2005年発行だったので、ちょっと気になって2011年の<レンブラント その光と影展>の図録を確認したのですが、こちらは貴田さんの文ではありませんでした。

わたしにとって、インクの摺り取り具合と雰囲気のバランスが取れた紙が見つかると良いなぁ。
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by orangewords | 2012-11-22 23:59 | 銅版画制作 | Comments(0)
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